「バベル」「21グラム」など、シリアスな人間ドラマで高い評価を得ているメキシコのアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督がダークファタジーに挑戦。第87回アカデミー賞では同年度最多タイの9部門でノミネートされ、作品賞、監督賞を含む4部門を受賞した。「バードマン」というヒーロー映画で一世を風靡した俳優が再起をかけてブロードウェイの舞台に挑む姿を、「バットマン」のマイケル・キートン主演で描いた。かつてスーパーヒーロー映画「バードマン」で世界的な人気を博しながらも、現在は失意の底にいる俳優リーガン・トムソンは、復活をかけたブロードウェイの舞台に挑むことに。レイモンド・カーバーの「愛について語るときに我々の語ること」を自ら脚色し、演出も主演も兼ねて一世一代の大舞台にのぞもうとした矢先、出演俳優が大怪我をして降板。代役に実力派俳優マイク・シャイナーを迎えるが、マイクの才能に脅かされたリーガンは、次第に精神的に追い詰められていく。(映画.comより)
残念ながら、非常に評価の高い作品ではありましたが、全く乗れませんでした。
「面白く無い」ではなく、「好きでは無い」感じ。
よく言われていますが、ブラックスワンと似てますね。で、アレも嫌いだった。どちらにも共通する、アートを突き詰めていくと狂気に繋がるみたいな表現が嫌いなんですよ、薄っぺらく感じて。正気でこれ演じてるキートンの立場はどうなるんだ?的な。絶賛されてる、ワンカット風に見える撮影も、「デジタルならこれ位出来るんでしょ?」と思ってしまって。
なんて文句ばかり言っていたら、自分よりもよっぽど上手に僕の不満を表現してくれてるブログがあったのでそちらを紹介。
http://t.co/VAlLSuSLxo
なんだかな、バカにされた気分の映画でした。
2015年4月26日日曜日
2015年4月2日木曜日
シェフ 三ツ星フードトラック始めました
「アイアンマン」シリーズのジョン・ファブローが製作・監督・脚本・主演の4役を務め、フードトラックの移動販売をはじめた一流レストランの元総料理長のアメリカ横断の旅を描いたハートフルコメディ。ロサンゼルスの有名レストランで総料理長を務めるカールは、口うるさいオーナーや自分の料理を酷評する評論家とケンカして店を辞めてしまう。心配する元妻イネスの提案で、息子パーシーを連れて故郷のマイアミを訪れたカールは、そこで食べたキューバサンドイッチの美味しさに驚き、フードトラックでサンドイッチの移動販売をすることを思いつく。カールはイネスやパーシー、仲間たちの協力を得て、マイアミからニューオリンズ、ロサンゼルスへと旅を続けていく。「3人のエンジェル」のジョン・レグイザモが主人公の友人役を、「マチェーテ・キルズ」のソフィア・ベルガラが元妻役を好演。ロバート・ダウニー・Jr.、スカーレット・ヨハンソン、ダスティン・ホフマンら豪華ハリウッドスターも顔を出している。映画.comより
食い意地が張ってて、映画アイアンマンが大のお気に入りなので観てきました。
映画館混んでてびっくりしましたが、観おわって納得。大傑作だと思いましたよ。 単純な悪人みたいなのが出てこないのがまた好印象。口うるさいオーナーの、「ストーンズのライブに行って、サティスファクションやらなかったらどう思う?」とか名言ですよ。
観ていてジョン・ファヴローを好きになる要素しかなかった。本当にセンスの良い人なんだなって。料理は旨そうに撮るし、音楽の使い方はお洒落だし、なんかこの映画の中ってずっと幸せそうなんですよ。主人公がいったん落胆するところでさえ。
だから憧れちゃうシーンがたくさんあった。特に、「セクシャル・ヒーリング」を相棒と息子と歌うシーンは、人生で達成したいシーンのひとつだなぁ。憧れる。
アメリカの映画だけれど全体にラテン系の登場人物も多くて雰囲気がそっち系なので、なんだか観ていてスペイン語を学びたくなりました。もう本当にこの映画の中に入りたかった。入って、キューバンサンドを食べたい。
食べ物映画でここまで思わせるんだから成功ですよね。
2015年3月1日日曜日
アメリカン・スナイパー
「ミリオンダラー・ベイビー」「許されざる者」の名匠クリント・イーストウッドが、米軍史上最強とうたわれた狙撃手クリス・カイルのベストセラー自伝を映画化。米海軍特殊部隊ネイビー・シールズの隊員クリス・カイルは、イラク戦争の際、その狙撃の腕前で多くの仲間を救い、「レジェンド」の異名をとる。しかし、同時にその存在は敵にも広く知られることとなり、クリスの首には懸賞金がかけられ、命を狙われる。数多くの敵兵の命を奪いながらも、遠く離れたアメリカにいる妻子に対して、良き夫であり良き父でありたいと願うクリスは、そのジレンマに苦しみながら、2003年から09年の間に4度にわたるイラク遠征を経験。過酷な戦場を生き延び妻子のもとへ帰還した後も、ぬぐえない心の傷に苦しむことになる。イーストウッド監督とは初タッグのブラッドリー・クーパーが、主演兼プロデューサーを務めた。
映画を観るという行為の醍醐味が、「疑似体験」にあるのだとしたら本作は最高の映画だと言える。一人の男が精神を壊され、正常な状態を失いながらも残った卓越した技術で戦場の伝説と呼ばれていく、地獄のような体験を見事に追体験させてくれた。劇中にあった、「我が子と同じ年頃の幼児を撃つのか撃たないのか」というシーンでは、映画を観ながら緊張感で吐き気を覚えたほど。
イーストウッドの演出は相変わらず鮮やか。主人公クリスの人格形成に影響があったと思われる子供時代などざっくり省略するところは簡単に済ませて、エンドロールのあの演出のように効かせるところはじっくりと、メリハリを効かせるってのはこういうこと。
シールズに見えるよう筋肉ダルマに増量して挑んだブラッドリー・クーパーの作り込みも見事だった。見事っていうか、クリス・カイル本人と似てるよね。ブラッドリー・クーパーって瞳が綺麗なので、壊れていくクリスの目が綺麗なのが却って怖いっていう。
物知らずなので映画で初めて知って印象的だったのが、クリス・カイルが1974年生まれだったこと。日頃関わることが多く親しみのある米国に、自分と1歳しか違わない、「戦場の伝説」が居るということ。そして我が国にはそのような存在は存在しないということの意味。流石にいろいろと考えさせられました。
人がバンバン簡単に死んでいくこと含めて、実話ベースである今作を、「面白い」って言ってしまうことには抵抗があるのですが、間違いなく凄い映画だったと思います。
2015年2月8日日曜日
ジョーカー・ゲーム
2009年・第30回吉川英治文学新人賞や第62回日本推理作家協会賞を受賞した柳広司の同名スパイ小説を原作に、亀梨和也(KAT-TUN)、深田恭子、伊勢谷友介ら豪華キャスト共演で描いたスパイアクション。監督は、「SR サイタマノラッパー」シリーズで注目を集めた新鋭・入江悠。第2次世界大戦前夜の陸軍士官学校。上官の命令に背き、極刑となるはずだった嘉藤は、陸軍内に極秘裏に設立された諜報組織「D機関」の結城中佐に助けられる。数々の訓練を経て諜報員となった嘉藤は、初めての任務として、米国大使グラハムが持つ「ブラックノート」と呼ばれる機密文書を奪取するよう命じられる。しかし、そんな嘉藤の前にグラハムの愛人でもある謎の女リンが立ちふさがる。 映画.comより
SRサイタマノラッパーシリーズの入江悠監督によるメジャー大作ということで、応援の意味を込めて公開日に観に行きました。下高井戸シネマで観たSRサイタマノラッパーの衝撃が、今僕が映画館に足を運ぶ原動力になっているように思うので。
愛を込めて結果から言うと、傑作では無いけれど娯楽作として大満足というものでした。
若手の監督がこの規模の映画を撮る上で、「主演・亀梨和也」っていうのは必須の条件なのでしょう。そして亀梨くんも非常に頑張っていたんだと思います。けれど、ルックス面がまず乗れないんですよ。良くも悪くも現代的で端正なルックスの亀梨くんだけに、戦時中の軍人上がりのスパイって役柄がね。。身体も細いしさ。
劇中の立ち回りでも、彼が敵を投げ飛ばす理屈がイマイチ伝わらない。そこが飲み込めるまでに少し時間が掛かりました。
が、時間と共にそこに慣れてしまえば十分満足のいく作品でした。特に脇の役者さんたちの魅力が画面から溢れ出していましたね。癖のある魅力ある脇役たちって、なんだか昔の日本映画みたいですね。
後、深田恭子の絵面のエロいこと。。チャイナドレスのあの姿、個人的には最高にツボです。ごちそうさまです!
お話の稚拙さから主役の嘉藤がバカにしか見えないのも、あの時代の童貞にあの深田恭子与えたらそりゃ狂うよ、と妙な納得の仕方しましたよ。
全体に絵が暗くてシリアスムードな割に、話は稚拙というかバカっぽいのが突っ込みどころだとは思うのですが、でもスパイものって海外作のこんなムードのものが多いし良いのかな、と。なんと言うか終わり方といい、実写版「ルパン三世」でした。深キョンは峰不二子だったし。
そんな訳で、「凄いものみた・・。」敵な驚きはなかったのですが、二時間程度の娯楽としては大いに楽しみました。このレベルの娯楽がコンスタントに出てきてくれると、映画館に通う楽しみがあるってものです。
2015年1月26日月曜日
ANNIE
1982年にも映画化された名作ブロードウェイ・ミュージカル「アニー」を、「ハッシュパピー バスタブ島の少女」で史上最年少のアカデミー主演女優賞候補となったクワベンジャネ・ウォレス主演で新たに映画化。ニューヨーク、マンハッタン。1歳になる前に両親に捨てられ、横暴なハニガンが営む施設に引き取られた少女アニー。10歳になった現在も両親が迎えに来てくれると信じている彼女は、かつて自分が置き去りにされたレストランに通い続けていた。そんなある日、アニーは事故にあいそうになったところを市長候補の男スタックスに助けられる。アニーの存在が選挙戦に有利になると考えたスタックスは、彼女を引き取って一緒に暮らしはじめるが……。「ステイ・フレンズ」のウィル・グラック監督がメガホンをとり、製作を担当したウィル・スミスとジェイ・Zが「TOMORROW」などおなじみの名曲を新たにプロデュース。共演には「Ray レイ」のオスカー俳優ジェイミー・フォックス、ミュージカル初挑戦のキャメロン・ディアスら豪華キャストがそろう。映画.comより
冒頭からはっきりと、「はい、2015年のアニーをやりますよ!」と 宣言して始まる、分かりやすい現代版リメイク。
今のアメリカですから、そりゃJay-Zも駆り出して全曲Hip-Hop風味にビートを足してます。タップなんて古いよとばかりにストンプするし、なんだかちょっと不安になるくらい親切に説明されちゃう。
でも基本が子供向けのお話ですからね、分かりやすいのは悪い事ではない。分かりやすくテンポよく、さくさくとお話が進む。なので描きこみ不足な部分は全編に渡って何箇所もある。けれど、ちゃんと「持つ」んです。なぜって、そこにスターが居るから。
クワベンジャネ・ウォレスちゃん。
この映画を観た人なら誰でも彼女を好きになっちゃうんじゃないかな。人を魅了する天才。彼女が居ればどんな話だって映画になっちゃうんじゃないでしょうか。天性も感じるし、身に付けた技術もある。
個人的にはジェイミー・フォックスの声にやられました。いや、もともと歌手なのは知ってましたけどね。改めてアルバム買おうかなぁ。彼の演じる富豪、スタックスはなんだか孫正義さんのような人。ただで携帯電話を配るし、野心満々だし、「ある秘密」を持っているし。いや、孫さんはむしろあの秘密が無いってことなんだが。
名作のリメイクですから、お話が面白いのは当たり前。リメイクする意味を問われるのだと思うのですが、ちゃんと「今」を反映させた良いリメイクだと思いました。娯楽として充分に満足です。
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